エフエムおたるパーソナリティーがお届けする「わたしと北一硝子」
- 第一回「小さなころから、硝子の器とともに」田口 智子
- 第二回「ガラスのぬくもりを感じて」村岡 啓介
- 第三回「暮らしの中に彩りを」馬場 ともみ
- 第四回「ネイルとねいろ」おがわとーる
- 第五回「想いをガラスペンにのせて・・・」石橋 八千代
- 第六回「サーモマグカップ片手に謎かけを」渡邉 ダイ亮
- 第七回「心に灯る想い」川崎 崇志
第七回
「心に灯る想い」
川崎 崇志
「久かたのひかりのどけき春の日にしづ心なく花のちるらむ」
平安時代の歌人 紀友則が詠んだ句です。
この句から、穏やかな日差しが射す春を。
そして、春を迎え優しく色づく咲く桜の光景を思い浮かべるのではないでしょうか?
句の後半その桜の花は「しづ心なく」散っていきます。
「しづ心」を辞書で引いてみると『静かな心。穏やかな落ち着いた心。」という意味と書いていました。
現代語訳にすると『日の光がこんなにものどかな春の日に、どうして桜の花だけは(落ち着いた心がなく)散っていってしまうのだろうか。」
この1年これに似た心境に私はふとなります。
平穏な日常を送りたいけれど、目に見えないものとの闘いや今まで何気なく過ごしていた日常を愛おしく思う日々。
そんな忙しなく変わっていく日常に何か変化を。少しでも明るく。と心のどこかで求めていました。
そんな中今回この「わたしと北一硝子」を書かせて頂くことになりました。
まず初めにガラスのイメージを思い浮かべます。
「割れるから触らない」
幼いころ母に外出するたびに言われたこの言葉がよぎりました。
ガラスは熱を加えない限り変形できない為割れやすいそうです。
日常で私用していくうちに目に見えない無数の傷がつき時、大事にしていても何かのきっかけで割れてしまうことがあるかもしれません。
そんな弱さもあるガラス製品ですが「透明感は美しく」「光が射すことで様々な表情を見せてくれている」と思います。
「ガラスの魅力」をそのままに、食事を盛る時や日常の飲み物を注いだ時、花をかざる時には更なる魅力を引き出してくれているのではないのでしょうか?
ガラスを調べていくうちに割れやすい弱さはあるものの、光が射す事や数多くのモノと組み合わせで輝きを増す姿は『人の心』のように思えてきました。
冒頭に書いた『日常に何か変化を。少しでも明るく。』
ガラスに触れることで自分の心も同じように輝かせることができるのではないかと思いました。
壊れやすい心も、光を射せば美しく、光がなければランプで照らせば良い。
困難な状況の時こそ、数多くのヒトと協力することで自分も輝きを取り戻し魅力が増すのではないかと考えます。
歴史の中で培われてきた小樽の伝統と文化、美しい自然と四季折々の暮らし。 『北一硝子』は、それらの硝子製品を通じて、守り、育んできたそうです。
職人たちの作った『北一硝子』の沢山の製品にはそんな温かい想いが詰まっています。
どんなことがあっても春はまた必ず訪れます。
「久かたのひかりのどけき春の日にしづ心なく花のちるらむ」
いつかの春には「桜の花」の事だけを考えられる日が来ると信じて。
暖かなランプに光と、職人の思いのこもったガラスコップのお水を飲みながら日々を一緒に過ごしましょう。
紀友則から最後にもう一句。
「春霞たなびく山の桜花見れども飽かぬ君にもあるかな」
また暖かな春の日に。
川崎さんおすすめのグラスはこちら
華やかで色彩豊かな二色重ね硝子に、砂を吹きつけて硝子を削るサンドブラスト技法で、
麗らかな春の訪れを感じさせる桜をグラスに彫り込みました。
上から覗くとまるで万華鏡を覗いた時のような美しさが広がるグラスです。
「三号館 和のフロア」では、様々なデザインの万華鏡グラスを販売しております。
「まごころお届け便」では、その中の一部をご紹介しております。
川崎さんおすすめのランプはこちら
「ガラスの浮き玉」とともに、「北一硝子の原点」とも言える灯油ランプ。
火のゆらめきは、見ているだけでほっとする癒しの光。
寒い季節に心も温めてくれるはずです。
また、火を灯さずとも、その佇まいはインテリアとしても魅力的です。
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川崎 崇志(かわさき たかし)
函館出身。
2017年から小樽在住。
自分の番組でパーソナリティーとしてトークする以外に、
外部パーソナリティーが担当する番組の卓(ミキサー)や、
収録、編集などを担当。
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