あなたにとって「忘れられない思い出のもの」はありますか?
大切な人からの贈り物。小さい頃からずっと愛用しているもの。
大事な場面で思い出して、自分に力を与えてくれるもの。
今はもう手元には無いけれど、ふとした時に思い出すもの。
時には記憶を思い出す鍵となり、時にはお守りにもなる、そんな品は誰にでもあるのではないでしょうか。
北一硝子の店舗でお買い物をしてくださった時や、アンケート葉書などで、お客様から商品にまつわる思い出を教えて頂くことがございます。
お客様の心に北一硝子の品が残り続けていることは大変嬉しく、その品にまつわるエピソードには胸が熱くなります。
これまでお客様に頂いたお声を少しだけご紹介させていただきます。
■想い出のエピソード
《灯油ランプ》
芯やホヤを取り換えて何十年も使い続けてくださっているというお声も多い灯油ランプ。
暮らしに寄り添い、手元を優しく照らすランプの灯りのように、心温まるエピソードを寄せてくださいます。
《醤油差し》
ロングセラー商品で、今は色や形のラインナップもたくさん増えた、北一硝子の”液だれしない”お醤油差し。
元々はお土産で頂いたものを、今でも大切に使ってくださっているというお声を多く頂きます。
《グラス・器》
毎日の暮らしを彩るグラスや器。
食器棚の常連となり、二世代、三世代と受け継いでくださっているという嬉しいお話も伺いました。
《アクセサリー》
特別な思い入れを持って身に着けることも多いアクセサリー。
お客様からは、デートや新婚旅行のときに買ってもらったという素敵な思い出も。
■小冊子『洋燈の素描』より
小樽の四季
小樽駅のプラットホームに西洋のランプ
足取り重く サラリーマンが背中を丸めて急ぐ家路
「お帰りなさい」と温かく灯りがともります
駅から下り坂 ゆるやかな道の向こうに海が見える
受け継がれたレンガと古い木造店が日本の暮らしをそのまま残し
幼かった私の故郷に重なります
運何の散歩道 昼と夜の雰囲気が幻想的に光り
レンガ造りの建物が鏡のように映ります
小さな魚がポチャンと輪を作りました
ひっそりと静かな池 吸い込まれそうな気迫を感じ
うしお祭が街を賑やかに花火で締めくくる
秋は紅葉が彩り 風に吹き飛ばされ
道々に落ち葉となり 冬仕度へと急ぐ街に変わります
雪灯りの道 ロウソクが人々を温かく迎えて
ハート型の中に恋人同士が二人並んで写るシャッターの音
雪灯りは恋人同士のキューピット役を果たして
アルバムの一ページに小樽の思い出を届けます
(M・M様 平成22年発行 洋燈の素描第30号より)
ワイングラスのため息
一、
夕日の色も 遠退かり
窓の向こうわ 街灯
ワイングラスに 部屋の鍵
まるで 時が止まってる
机に残したパッケージ
吸えないタバコ くゆらせて
別れ言葉を 見つめてる
二、
夜更けの空を 流れ星
何時かふたりで 見た事も
ワイングラスの 微笑も
みんな 胸に閉じこめて
素直になれたら 泣けるのに
ランプの灯 部屋の隅
ひとりぼっちで 見つめてる
(Y・S様 平成20年発行 洋燈の素描第28号より)
ランプの森
暗く寒い夜
ぼやっと明るい
森がある
そこは
すてきなランプの森
大きいランプに小さなランプ
赤や黄色
緑と青
こっちのランプは花もよう
丸い形 四角形
個性的なランプたち
冷たかった手足も心も
ぽっかぽか
ランプたち
ありがとう
(F・O様 平成18年発行 洋燈の素描第26号より)
Winter
最近夜になると必ず聞こえる
奇妙な鳥の声が
外を見ると白いV字が飛んでいる
大きなカモメのような物が
とんでいる?
よーく見ると白鳥がいる
V字の群になり
どこまでもどこまでも
飛んでいく
見ているだけで
冬がくるというのが
よくわかる
ガラスと似ている
無色で透きとおった冬が
白鳥が去るのとともに
やってくる
(K・Y様 平成20年発行 洋燈の素描第28号より)